15.決定=実現と、幻想である時間の捉え方

時間は幻想だ。時間というものが存在し、一方的に過去から現在を経て未来へと流れているような感覚があるが、それは錯覚だ。時間が流れているとしても、過去→現在→未来に流れているわけではなく、未来→現在→過去と流れている。

まず、時間がは幻想ということの説明をする。私たちが生きているこの世界は、DVDで映画を見るようなものだ。DVDをデッキに入れて再生をすれば、最初から最後まで順を追って映像が流れて、一つのストーリーが完結する。

DVDの中には全ての場面が収録されている。初めのシーンから最後のシーンまで。デッキに入れて再生をすると、シーンがひとつずつ映し出される。しかし、再生していない状態では、全てのシーンが同時に記録されている状態だ。全てのシーンが同時に起こっている。

イメージしにくい場合はパラパラ漫画を思い浮かべてみて欲しい。ノートの隅っこに少しずつ変化のある絵を描いて、1ページずつめくることでストーリーが生まれる。全てのコマを書き、初めのコマから1ページずつめくることでストーリーを経験できる。ページは過去から現在を経て未来へ流れているように思える。しかし、ページをめくらなければ時間は発生しない。時間は発生しないが、全てのコマが存在することに変わりはない。

これが、実際には時間は存在しないという説明だ。そして、映画館のスクリーン上、テレビやディスプレイ上、ノートの上でどんなことが起こっていたとしても、実際には何も起こっていない。

次に、時間は未来から流れていることの説明だ。これは簡単で、どんな結末を迎えるかを決め、それに向かって進んでいるということだ。過去からあれこれ積み上げて未来を作るのではなく、決めた結末に必要なことが起きてくる。

料理に例えるとわかりやすいかもしれない。あなたがカレーを作りたいと思った。カレーは結末だ。カレーを作るために必要な材料を考え、揃える。レシピを見て材料を切り、炒めて煮込む。そうしてカレーが出来上がる。カレーというゴールから逆算してカレーを作るための行動が起きる。材料を買って、調理してカレーを作ったように思うと、過去から時間が流れているように感じるが、実際は結末から逆算して未来から時間が流れている。

時間は幻想で、すべてのことが同時に起こっている。これが、あなたが決定したらすぐさまそれが実現しているということにつながる。あなたがパラパラ漫画の作者だとしよう。あなたが漫画のストーリーを「こうしよう!」と決めた瞬間に、あなたが作る漫画の結末はそれ以外にはなり得ない。あとは、どんな風にそうするか、どんな道筋を辿ってそこにたどり着くかを描いていく。

あなたがストーリーの結末がある。しかし、スタートしていきなりその結末のコマを書いたとしたらどうだろう?そのパラパラ漫画は面白いだろうか?誰か見たいと思うだろうか?桃太郎に例えれば、こんな感じになる。

【桃太郎】
昔々、山奥でおじいさんとおばあさんが暮らしていました。
おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯へ行きました。
おばあさんが川で洗濯をしていると、大きな桃が流れてきました。
おばあさんはその桃を持って帰ると、その桃から男の子が生まれました。
その男の子は桃太郎と名付けられ、鬼退治をして村人を助けました。めでたしめでたし。

何も面白くないし、誰も読みたいと思わないだろう。どんな結末になるのも楽しみだが、その結末だけがわかっても何も面白くない。どんな道筋をたどってその結末を迎えるのかが語られていて、初めて面白いストーリーになる。

時間は幻想で、あなたが決定したことはすぐ実現する。そういうとあなたは、「じゃあ、決めた瞬間にそうなってくれよ!」と思うだろう。あなたが「豪華客船で世界一周旅行する!」と決めたら、今すぐ豪華客船に乗ってスタートできるようにしてくれ!と思うだろう。

それはそれでいいかもしれない。しかし、豪華客船で世界一周できるまでのストーリーがあったほうが、より世界一周旅行を楽しめるだろう。それに、決めた瞬間何でもかんでも目の前に現れたらえらいことになると思わないだろうか?

あなたの頭の中(実際は頭の中ではないが)には、絶え間なく思考がやってきているだろう。その中の思考を選んであなたが決定してしまうこともあるだろう。「これが欲しい。あれが欲しい。いや、やっぱりこれはいらない。あそこに行きたい。こうなりたい。やっぱりこれは嫌だ。」そんなことが瞬時に起こったとしたらどうだろう?混乱して何もできなくなると思わないだろうか?

私たちの人生はDVDで映画を見るのと同じだが、そのシナリオは無数に用意されている。なぜなら、あなたは何を信じるかを選ぶことができるからだ。信じたことを経験するから、何を信じるかを選ぶということは、何を経験するかを選ぶということだ。

あなたが何かを決める。そこに向かって進む。そのタイムラグを楽しむ。それが人生の醍醐味だ。時間は幻想で実際にはないが、時間の経過というものを感じることができる。ストーリーを楽しむことができるということだ。

あなたが決めたことはもう実現している。あなたがその決定を変えない限り。あなたはそれが実現するまでにどんな道筋を辿るのかを楽しむことができる。だから、結末がわかっている映画を観るように安心して人生を生きるといい。そして、どんな道を通って決めた結末を迎えるんだろうとワクワクしているといい。

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