映画の中の登場人物には何の力もない。ただ、与えられた台本をこなすだけだ。映画の内容を変えたいのなら、監督もしくは脚本家になる必要がある。
あなたはいつでも、登場人物の立場で出来事を経験するのか、監督や観客の立場で出来事を経験するのかを選ぶことができる。
今までは選択肢すらなかっただろう。しかし、これからは選択することができる。
それでは、映画の作者を選択する方法を紹介する。
方法はいくつかあるが、簡単なものを紹介する。
まず、目を瞑る。目を瞑ると真っ暗な空間が広がるだろう。真っ暗で何も見えないはずだ。そして、その真っ暗な空間に意識を向ける。それだけだ。
しばらく真っ暗な空間に意識を向けていると、体がリラックスしたり気持ちが落ち着いたりしてくるかもしれない。また、何とも言えない高揚感や幸せな感じを感じるかもしれない。人によって感じ方は違う。
何も感じられなくても、真っ暗な空間に意識を向けられていたらそれでいい。
しかし、真っ暗な空間に意識を向けようとしても、思考や感情がやってきて気が散るかもしれない。思考や感情を邪魔だと感じる必要はない。そのままにしておいて、そっと真っ暗な空間に意識を向け直すだけでいい。
有名な方法だが、「私は誰か?」と自問してみるのも効果がある。「私は誰か?」と質問して、真っ暗な空間を見つめてみるといい。答えはやってこない。概念化できないので思考に答えを見つけることができないからだ。自問した後の沈黙をよく感じてみるといい。
真っ暗な空間こそ本当のあなたであり、映画の作者であり観客の立場だ。ここに意識が向いている時、あなたは自由だ。
何が自由なんだろう?
初めのうちは気づかない、感じられないかもしれないが、慣れてくると根拠のない幸せに包まれるようになる。その幸せは何かを得たり、達成したから感じられるものではない。いつでも、あなたがどこに行っても(実際はどこにも行かないが)そこにあるものだ。
あなたは、幸せになるために、幸せを感じるために何かする必要がないことに気づく。幸せとあなたが置かれている状況は何の関係もなかったことに気づく。
するとどんなことが起きるだろう?
あなたはやりたいことができるのではないだろうか?あなたはやりたくないことをやめられるのではないだろうか?
あなたはこれまで、幸せになるためにやりたいこともやりたくないこともやってきたはずだ。やりたいことよりもやりたくないことをやっていた方が多いだろう。それは、あなたが幸せではなくて、幸せを手に入れる必要があるものだと思い込んできたからだ。
しかし、そうではないことに気づいた。いつでもどこでも幸せを感じられるなら、何かを手に入れる必要もなければ、何かになる必要もないし、あなたの何かを変える必要もないし、誰かや何かをコントロールする必要もなかったことに気づく。
あなたは何かやりたいと感じたことをやる。やりたいと感じることがない時は何もしないだろう。どっちにしても、あなたが幸せなのは変わらない。
あなたは、あなたの人生という映画で起こることを楽しみながら見ることになるだろう。何が起きたとしても、あなたの幸せとは無関係だということがわかっているからだ。「何とかしなければ」「どうにかしなければ」と思うようなことがなくなってくるだろう。
したいならすればいい。したくないならしなければいい。あなたの人生はとてもシンプルになる。
何も得る必要がないと思っているので、そう感じているので、何も得る必要がない現実が展開してくだろう。何も得る必要がない現実とは、一体どんな現実だろうか?あなたはどんな時に「もういらない」と言うだろう?お腹いっぱいの時に「もういらない」と言うだろう。
あなたが本当の自分に気づくこと、幸せは手に入れる必要のあるものではなく、常にあったことに気づくこと、それだけであなたの人生が大きく変わる。
次回は、今すぐ幸せになるもう一つの方法を紹介する。