お金の使い方には3つのステージがあります。
それぞれのステージごとにどんな特徴とメリット・デメリットがあるか説明していきましょう。
第1ステージ:守銭奴
第1ステージは、とにかくお金を遣おうとしない、お金を遣うことを嫌がる守銭奴のような人です。
とにかく、お金お金お金お金と、お金をケチる、貯めこむことしか脳がありません。
このステージの人は一生不幸です。
なぜなら、お金は使うためにあることを理解していないからです。
そう、お金は使うためにあるものですよ。何らかの価値と交換するためにあるもので、貯めこむものではありません。
家族にこういう人がいると本当に迷惑です。
そういう私もこのステージにいたことがあります。というか長年いました。
とにかくお金を使おうとしない、お金がないととにかく不安、払わないといけないお金もすら払おうとしない。
今から思うとひどいものです。奥さんにもずいぶん迷惑をかけたと思います。
こういう人の判断基準はたった1つ。値段が安いかどうかです。
価値を見極めることが出来ません。
値段が安ければ買う、値段が高ければ買わない。以上。
なので、安物買いの銭失い状態から一生抜け出すことが出来ません。
お金を貯め込むのは悪いことではないと思いますが、私は決していいことだとも思いません。
貯めこむというのは、必要以上に貯めるということですね。
なぜかって、今を楽しむことができないからです。
今使いたいお金がある、お金を使ってほしいものがある、やりたいことがある、行きたいところがある。
でも、「将来のことを考えたら」今は我慢した方がいい。お金は使わない方がいい。
そうやって将来のことを考え続けて我慢し続ける生活をして、最後は年取ってお金を使えなくなって、残して死んでいくと。
残された方はお金が残っているから良さそうですが、変にお金が残っていると相続の争いがあるんですよね。
お金を溜め込み続けてなにかいいことがあったでしょうか?
私も言われて育ちましたけど、あなたも言われませんでしたか?
「ちゃんと貯めておかないと本当に欲しいものが出来た時に買えないわよ!」
って私は親に言われて育ちました。
確かに、小遣い制の時はこれが正解です。
しかし、社会人になって収入を得るようになったらこの説教は間違いです。
昔はそうだったかもしれません。でも、今ローンで買えないものなんてありますか?
ないですよね?
家だって車だってローンで買えます。
ちょっと高額な時計だってブランドバックだって買えます。
ローンでなくても、クレジットカード払いにしておいて分割払いにすればいいんです。
なので、お金を貯めていないと本当に欲しいものが出来た時に買えないというのはもう忘れたほうがいいです。
かといって、貯金する意味が無いということではありません。
必要以上にお金を貯めこんでおく必要はないということです。
自分や家族の「今」を犠牲にしてまでお金を貯め込む必要はありません。
守銭奴でいることのメリットは一切ありません。
お金の奴隷です。お金に奴隷にされているわけではなく、自ら望んで奴隷になっています。
かわいそうな人です。
そうそう、「お金がないから守銭奴のようにならざるを得ない!」という言い訳が聞こえてきそうですが、お金を守ろうとしすぎているから逆にお金が身につかないのです。
意識的にお金を使おうとするとお金が入ってくるようになりますよ。不思議なもんでね。
多くのファイナンシャルプランナーは「自分は上手にお金を使ってるよ!キリッ」と言っていますが、私個人的にはほとんどのファイナンシャルプランナーという生き物はこのステージに居るんじゃないかと思います。
まぁ、ファイナンシャルプランナー自体平均年収が300万円を切るような仕事なので、経済的に厳しい人が多いですからね。だから、意味不明な保険なんかを売らないと生活できなくなるんですよ。
前に、徳島のFP協会から講演を頼まれて引き受けたんですよ。
その後懇親会で、徳島のFP協会の支部長やらエライさんやらと焼き肉を食べながら話をしていたんですが、「うわ〜、もうこいつらとは関わりたくないわ。。。」と思うくらい気持ち悪かったですね。
言葉で表すのが難しいですが、とにかくお金を使わない奴の勝ちみたいな考え方で当たり前だと思っています。
何度もいいますが、お金は引換券です。何かと引き換えない限り何の価値もありません。
守銭奴を抜け出す方法
守銭奴の状態を抜け出すためにやるべきことは3つです。
まず、お金は使うためにあるものだという認識を得ましょう。何らかの価値と引き換えてはじめてお金は価値あるものになります。それまではただの紙切れだり、金属の塊にすぎません。1万円札で鼻をかむのも難しいですし、うんこしたケツも拭けません。また、1万円札の原価は20円らしいので、そのままであれば20円の価値しかないということです。
それから、お金に関わる時は感謝と喜びをもってみてください。
あなたが誰かに渡すときは感謝を持って。あなたが受け取る時は喜びをもってみてください。金額の大小に関わらず、大きな感謝と大きな喜びと持ってみましょう。
それを習慣にするだけで、あなたのお金の流れがぐっと良くなります。お金を使うのが楽しくて心地よくて、喜びに変わるからです。
最後に、お金があなたや誰かの価値を表すのではないという認識を持ちましょう。世の中にはたくさんお金を稼いでいる人がすごい、たくさんお金を持っている人が偉いという風潮がありますが、これは全く関係ありません。お金がその人の価値を表すのではありません。
お金がその人の価値を表すと信じていると、お金を使って減ると自分の価値が減るような気がしてしまい、なかなかできません。お金をはじめとして、あなたの成果物とあなたの価値を混同しないようにしましょう。それと同時に、だれかが稼いだ利持っているお金の量や誰かの成果物と、誰か自身の価値を混同しないようにしましょう。
第2ステージ:節約家、コスパ命!
節約というのは守銭奴のようなケチではなくて、上手にお金を使うという意味です。
貯めこむのはケチ、上手に使うのは節約です。
なので、第2ステージは上手にお金を使う人です。
上手にお金を使うというのは、欲しいものや出費の中から優先順位をつけて、順位の高いものからお金を使う。
また、値段だけではなく価値を考えてお金を使います。
支払う金額に対して得られる価値が高いのかどうかを判断して買うことができるようになります。
つまり、割安か割高かで買うか買わないかを判断するということです。
このステージにいる人は確かに上手なお金の使い方ができます。
ただ、ずっと後悔がつきまといます。
より良い買い物、お金の使い方をするためにいろんなことを調べます。
それこそ、どこで買ったら一番安いのかから始まって、耐久性はどうかとか、スペックがどうのこうのとか、製造メーカーはここだからどうのこのとか、いろんなことを時間をかけて調べます。
金額の高い買い物になればなるほど時間と手間をかけて調べます。
そうやって調べていき、候補を幾つか絞って最終的に選ぶという手順を取るでしょう。
でも、この買物の仕方は後悔を残してしまいます。
なぜか?
「あっちを買ってたらどうなっていただろう?」というのがなかなか消えません。
例えば、掃除機を買うとしましょう。
いろんなことを調べて比較検討してやっと決めました。
使ってみるとまぁまぁいいかんじです。
でも、使っている内に不満点も出てくると思います。
そうなると、「あ〜、あん時に悩んだあっちにしたらよかったかなぁ」っていうのが出てきます。
後悔ですね。
後悔をしてしまう理由は、選択肢が多かったからです。
何かを決断するときに選択肢が多ければ多いほど満足度は下がるという調査結果があります。
確かジャムを使っての実験だったと思いますが、9種類の中から選んでジャムを買った人と21種類の中から選んでジャムを買った人、それぞれに満足度を聞いてみると同じジャムを買った人でも、21種類からジャムを選んで買った人のほうが満足度が低いという結果になったようです。
選択肢が多ければ多いほど、「あっちにしておいたらよかったな。」というのが出てくるんでしょうね。
なので、このステージの人は上手にお金を遣うことは出来ます。
しかし、買い物、お金を遣うことの満足度は低くなります。
つまり、お金を遣うことへのストレスを抱えてしまいます。
買う前は「失敗しないようにしないと…」
買った後は「あっちにしておいたらよかったな。」
というのが消えないからです。
そして、金額の高い買い物になればなるほどその思いが強くなります。
お金を遣うことへのストレスを抱えるとお金を引き寄せません。
ストレスを感じているものを引き寄せたいと思いますか?
例えば、ゴキブリ。
ほとんどの人が嫌いでしょう。ストレスを感じると思います。
そんなゴキブリを引き寄せたいと思うでしょうか?
お金に対してストレスを感じているとお金は遠ざかっていきます。
節約、コスパ命状態から抜け出す方法
それでは、この状態から抜け出す方法を紹介します。
それは、商品の品質、性能、コスパではなく「自分が気にいるかどうか。」で選んでみることです。
この商品、サービスの性能が良かった、割安だったから買った、お得だから買ったではなく、「これが好きだから買った。」「これが気に入ったから買った。」「これが欲しかったから買った。」に変えてみてください。
これができているのは子供です。子供はお得かどうかとか、値段がどうか、そんなことは気にしません。欲しいものを選びます。大人がいらないことを教えるまでは「欲しい!」「これが好き!」というものを選びます。
子どものように好きなもの、気に入ったものを選んでみましょう。
大きな金額でそれをするのが恐ければ、スーパーの買い物から始めてみましょう。スーパーではどれが安いか気にして買っていると思いますが、そうではなくあなたが「食べたい!」と感じるものを選んでみてください。全部そうするのが恐ければ、一つだけ「これを食べたい!」と思うものを値段を見ずに選んでみましょう。そして、コスパで買ったものと、「これがいい!」と思って買ったものとの満足感を比べてみてください。
「そんなことを繰り返していたらお金が無くなってしまう!」という心配を覚えるかもしれません。しかし、これを繰り返しているとある経験ができるようになります。それは、お金があるから何かが買えるのではなく、欲しいものがあるからお金が手に入るという転換を体験できます。
必要に応じてお金を手に入れられる状態です。こうなったことが実感できれば、コスパをみる必要は無くなるでしょう。
第3ステージ:フィーリング
このステージに居る人のお金の使い方は非常にシンプルです。
好きか嫌いか?欲しいか欲しくないか?やりたいかやりたくないか?
以上。
値段が安いとか高いとか、価値が低いとか高いとかスペックがどうのこうのとか、全く気にしません。
それが気に入ったかどうか、好きか嫌いかだけで判断します。
よって、お金を使う時のストレスはありませんし、後悔することもありません。
だって、好きなものや欲しい物を買って後悔なんてしないですよね。
私は現在なるべくこんな感じでお金を使うようにしています。
そうすると、お金に対する不安、ストレスっていうのがあまりなくなってきますし、お金を遣うこと自体が楽しくなるんですよね。
そうなると不思議なもんで、なぜかお金が集まってくるようになるんです。
どこのステージのお金の使い方をするのかはあなたの自由です。
自分がいいと思ったステージを選べばいいと思います。
一つだけ胸に刻んでいただきたいことは、お金は使うためにあるということです。
そして、お金を使わないところには入っても来ないということです。